ヒトリ歩き

愚痴とかいろいろ書きます

初めてテスト担当にアサインされた新入社員に贈る

来週から新年度がスタートしますね。
新年度と言えば、新入社員!!
どんな新人が来るのかソワソワします。

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プロジェクトに新人さんが配属されると私が所属する部署のだいだい上司はテスト担当にアサインさせようとします。正直、私はいきなり新人にテストをさせたくない。
テストってそんなに甘くない!!
上司は、テストを通して担当するシステムを理解してもらいたいという思いがあるのだろうけど、テスト担当になるとシステムを理解するほど余裕がないと思う。

私が新人の頃、テスト担当にアサインされてテスト項目通りにテストを消化するのに必死で「ここはこんな仕様なんだー」なんて思う余裕なんてなかった。
それに遅れが出ると、「なんで遅れている?」と先輩に聞かれる。
新人なんで、「私の作業スピードが遅いからです」、「私の理解不足で遅れてます」なんてことしか言えなかった。
今、そこそこの年数が経ったけど新人にそんなことを言わせる先輩の頭がおかしいのではないかと私は思う。

という訳で、いきなりテスト担当にアサインされた新入社員に向けて私が意識していることや知っておいた方がいいことを書きます。

IT検証技術者認定のシラバスを読む

IT検証技術者認定試験という資格がありますが、この資格はテストの現場における実務を重視しています。
そのため、この資格のシラバスにはテスト現場においてどのようなことをすべきかが書かれているのです。
特にテスト担当者は、このシラバスのエントリーレベルを読みましょう。
これを読むだけで、テスト担当者としてやらないといけないことが書かれているので仕事内容のイメージが出来ると思います。
ただ、シラバスに書かれていることを全てやるかどうかは現場によって異なるので現場に合わせて取捨選択が必要です。

www.ivia.or.jp

時間に余裕がない人は、エントリーレベルの「5.4 テスト実行」だけでも読んでおくといいでしょう。

質問票を作る

テスト担当の試験項目に関する質問票を作成します。
私も稀に他のプロジェクトのテスト支援に入ることがあり、必ず質問票は作成しています。
質問票は次の順序で運用します。

  1. 担当テストの全ての項目に目を通す。
  2. 不明なところや気になる所など些細なことでも全て質問票に記入する。
  3. 質問票の回答をもらうために打ち合わせの場を作ってもらう。
  4. 質問票の回答がもらえた箇所からテストを消化する。
  5. 不明点が新たに出たら、追記し担当者に回答をもらう。

必ず打ち合わせの場を作ってもらえるとは限らないので、場を設けてもらえない場合は、回答期限を設定しリーダーを含めてメールしましょう。(メールしたことは口頭でも伝えましょう。口頭で伝えてないのと伝えているのでは全然反応が違う。)
これでも回答が来ない場合は、リーダーに不明点が解決できないのでテスト消化ができないことを伝えましょう。(エスカレーションする)

必要なテストエビデンスを確認する

テストエビデンスとは、テスト項目の確認事項通りであることやテストを消化したことを証明する証拠となるものです。
正直、これがかなり厄介です。
テスト項目によって必要なテストエビデンスが違ったりします。
「このテストエビデンス取り損ねた・・・」となると再テストとなります。
再テストを防ぐことや自分がテストを正しく消化した証拠として必要なテストエビデンスは何かを必ず確認しましょう。

id:starscream1999 がテストエビデンスについて書かれてますので、こちらも参考に。
starscream.hatenablog.com

確認事項はテストエビデンスで確認する

これは私が意識してやっていることです。
テストの確認事項って実際の画面で確認しがちです。そうなると、テストエビデンスを取り損ねて後からテストエビデンスがないことに気づくことがたまにあります。

テストエビデンスの取得漏れを予防するために、必要なテストエビデンスを取得し実際の画面ではなくテストエビデンスを使ってテスト項目の確認事項をチェックしています。
実際に、やるようになってテストエビデンスの取得漏れがなくなりました。
また、確認事項が複数ある場合にどのテストエビデンスで確認したのか分かるようにテストエビデンスの名前にも注意しています。

例えば、次の確認事項があるとします。

  1. ログイン画面が表示されること。
  2. XXXがログに取得されていること。
  3. ログインが出来ること。

上記の確認事項に対するエビデンスを次のようにするとどれがどの確認事項のテストエビデンスなのか分かりません。

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次のようにテストエビデンスの名前を意識することで、テストエビデンスを見直すことになってもすぐに確認することができます。
ログが大量に出るときは、確認事項で確認しなければいけないログだけを抽出して別ファイルにしておくと良いと思います。
その際に、抽出元のログファイルは必ず残しておくようにしましょう。

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テストに焦りは禁物

テストに焦りは禁物です。
焦ることでヒューマンエラーが発生しやすくなりますし、問題を発見できずに商用で問題が発覚となると手戻りが発生するし、色々作業が増えてしまいます。
スケジュールが遅れていようが、焦らずに確実にテストをするようにしましょう。

TeraTermマクロを活用する

私が担当するシステムはほとんどがLinuxなのでTeraTermが必須です。
データベースのテーブルのテストエビデンスを取得する際はTeraTermを起動してデータベースに接続しテーブルを検索するというのがお決まりです。
これをテストの前後で実施するわけです。

そう。めんどくさい。

そんなときは、TeraTermマクロを作っておくことでマクロを実行するだけで必要なテストエビデンスが取得することができます。
意外とテストって同じことを繰り返すことが多いので自動化の宝の山です。
「これを自動化しました」ってだけで上司への評価アピールにも繋がるのでTeraTermマクロを知っておく価値があります。

不具合報告(バグ報告)の再現方法は詳細に書く

不具合報告(バグ報告)をする際に、再現方法を書く必要があります。
その際に、再現方法に「テスト項目の手順を実施」だけ書いて報告すると、バグを解析するために再現させようとしても再現しないなんてことはよくあります。
再現方法は必ず「何のデータを入力したのか」、「何のボタンを押したのか」など詳細をしっかり書くようにしましょう。
詳細を書くと言っても、長文で書くと読む方も大変なので番号付きで箇条書きするといいです。

  1. メニューバーの[xxx]->[xxx]を押下する
  2. xxx画面の名前欄にaaabbbccを入力する
  3. xxx画面の性別に女性を選択
  4. xxx画面のXXXチェックボックスのチェックを入れる
  5. xxx画面のメモ欄に「長期休暇中」を入力する
  6. xxx画面の登録ボタンを押下する

最後に

私の経験を交えて、初めてテスト担当にアサインされた新人さんに向けて書いてみました。少しでも、新人さんのテスト業務に役立てれたらいいなと思います。
他にも書きたいと思ったことがあった気がしますが、思い出せないので思い出したら、追記しようと思います。